マダニ媒介の感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」福岡で初確認
発熱などを訴え福岡市内の病院に入院している30代の女性がマダニが媒介する感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」に感染していたと福岡市が発表しました。
入院している女性は糟屋郡在住で福岡県内で「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」が確認されたのは初めて。
発熱、下痢、頸部リンパ節腫脹等の症状があり左頸部にダニの咬傷跡があったことから、医療機関が福岡市へ検査を依頼。福岡市保健環境研究所と国立感染症研究所の検査で陽性であることが確認されました。女性は現在も入院中で容態は安定しているとのこと。感染したルートはわかっていません。
「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」は、2011年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTSウイルス)に感染することによって発症する一群の病気。SFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染するといわれており、感染すると、特効薬やワクチンがなく、最悪の場合死に至ることもあります。
感染予防策としては、マダニに咬まれないことが重要で、森林や草むら畑などマダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボンを着用するなど、マダニに咬まれないよう肌の露出を避けることが大切。
マダニに咬まれた場合は、マダニを無理に取り除こうとせず、速やかに医療機関(皮膚科)を受診し、マダニの除去や洗浄などの処置をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後は、2週間程度は体調の変化に注意し、発熱等の症状が現れた場合は医療機関を受診し「マダニに咬まれた」ことを伝ましょう。
マダニは3mmから8mm程度の大きさで、吸血すると10mmほどになり、一般的に「ダニ」といわれている「イエダニ」とは種類が違います。春から秋にかけて活動が活発になることもあり、これからの季節は特に注意をするよう、行政機関による注意喚起がおこなわれています。